置時計

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群馬の音楽家を志す者にとって、いわゆる登龍門として、「群馬新人演奏会」と「高崎新人演奏会」とがあり、出演者のオーディションが実施される。なお、邦楽部門があるのは「高崎」のみであった。

高崎は小澤征爾ゆかりの群馬交響楽団の発祥地であることから分かるように、民間レベルでの音楽文化活動の盛んな土地柄である。当地の新人演奏会に、日本中探しても(おそらく)滅多にない邦楽部門があるところなんか、さすが、としかいいようがない。

主催の高崎市民音楽連盟は、そんな高崎を音楽の街となさしめた原動力とも言える訳だが、その原動力の原点ともいう人物がいる。もう故人となられた斉藤民さんだ。生涯を音楽に捧げたこの女性を知らない音楽人は群馬に存在しない、といっても過言ではない。

戦後の群馬の、高崎の復興は音楽と共にあった。音楽は平和を象徴している。

僕はこの「高崎新人」に出演した。記念品としてもらった置時計を、斉藤民さんに手渡していただいたことは、音楽に関わる群馬県人としての、僕のささやかな誇りである。

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