26日、東京は八王子にある、多摩美術大学において講義。
多摩美にある、芸術人類学研究所所長・鶴岡真弓先生のゼミ生を中心とした学生に向けて「伝統の音色と現代の邦楽」(学生がつけてくれたタイトル)と銘打ち、伝統芸術に関する話と演奏を実施した。
鶴岡真弓先生とは以前から交流があり、昨年、研究所にお伺いさせていただいた際に、このような企画が持ち上がり、実際に形となったものだ。
伝統芸術というものは世界の各地域における民族文化と交流する中で形成されてきたものであり、その時間の流れと地域性、その相互作用の中に、芸術を実践する個人の意識が介在して具体的な形を表しているものである。
そうした持論と、小中学校や大学における指導経験の話を交えつつ、伝統芸術に関わる中で経験する他文化との繋がりや絆、そこから自然に生まれる平和の精神について、演奏で具体的に聴いてもらいながら触れていった。
終了後、学生の簡単な批評のレポートをいただいた。特に演奏の音色から、光景や色など、様々なものを鋭い感性で感じていただいたようで、嬉しい限りである。
講義後には、研究所にて茶話会を催していただき、学生から直接感想をいただいたり、弦楽器の発祥や伝播などの質問をうけたりと、楽しい交流を深めることができた。
個人的には、いま申請しているNPOの活動の骨格となる理論・理念をひとつの体系的な形にする良い機会となったことがありがたかった。また今後、鶴岡真弓先生、芸術人類学研究所との連携についての話も持ち上がり、今後の自身の新しい活動の展開に対して大きな勇気となったことも感謝である。